定年後(60歳) フリーランスの日本語教師として6か月が経ちました!

日本語教師になりました!

日本語教師として6カ月!体験談をお伝えします!

 昨年9月末に60歳で定年退職し、第二の人生として「フリーランスの日本語教師」となり、無事?6か月が経ちましたお世話になっている日本語学校で6か月間、非常勤講師として勤めさせていただきました。

 この6か月間の経験を通じて、「日本語教師として色々と感じたこと」や「今後の授業に必要なこと」などをまとめました。まだまだ不十分だとは思いますが、特にこれから日本語教師になられる方に、少しでもご参考にしていただければ幸いです。

●この6か月間を通じて感じたこと

事前準備の大変さと「内省的実践家」「自己研修型講師」の意味を実感しました!

 新任の日本語教師にとっては、本当に授業の準備は大変です(大変でした)。私の学校はパワーポイントで授業が可能なので、どうしても前職(日本人向け企業内講師)の影響か、できるだけパワーポイント(以降PPT)で説明しようとするため、資料作成時間に多くの時間が必要でした。私がPPTにこだわったのは、板書が苦手(字が汚い)なのもありますが、授業全体の流れをPPTにすることで、年齢による抜け・漏れ(見落とし、ど忘れなど)を防止するために時間をかけて準備しました。

 そこで感じたことは、文型導入や、文型の違い、会話の説明などは、PPTのアニメーションをうまく使えば、学習者には理解しやすい面もあり、PPTの特徴を生かした教え方ができるメリットもありました。

 一方、デメリットもあります。どうしても説明が一方的になりがちで、学習者の発言を取り入れて文型を導入するのは難しいです。また、前の説明を求められた場合、ページを戻さなければならず、時間もかかります。また、教室の環境にもよりますが、PPTを映してしまうと、ホワイトボードの余白が少なく、会話を板書するスペースが無くなるなどです。

 担当する授業内容にもよりますが、たくさんの文型を導入する授業なのか、習った文型を使って、会話や作文をする授業なのかも含め、授業全体を鳥瞰的にとらえて、「最適な授業は何なのか?」「このクラスのレベルならこうやって教える方が良いのでは」、「PPTと板書をどう組み合わせて授業をするべきか?」など、日本語教育能力検定試験対策で勉強したキーワード「内省的実践家」「自己研修型講師」の意味を改めて実感しました。

その日担当する授業だけを考えてはいけない

 私がお世話になっている日本語学校は「できる日本語」を使っています。会話する状況やイラストも多くあり学習者には、どんな状況で、どんな目的に、どんな会話をするのかなどが、とても理解しやすい内容です。そのため、(私の場合です)教師になりたての頃は、どうしても今日の授業の内容に絞ってしまい、以前学習した文型との違いや、今後学習する予定の文型などが頭に入っていなかったため、授業開始早々、学習者からの質問で、「それは・・・」と、あたふたすることがよくありました。

 また、同じ文型(例:「~たら」)でも、教える課も分かれているのですが、学習は事前に勉強している人も多くいるため、質問が今日の「~たら」と違う使い方を求められ、その対応をしていると、意味の分からない学習者は、「・・・(何のこと)」と不思議な空間になりました

 非常勤で週1のクラス担当であれば、なかなか他の日の授業まで目が届かない!(正直な気持ちでした)ですが、少なくとも、テキストの構成上、別れて掲載される文型や、同じ意味なのに、使う状況や相手によって使い分けるたり、会話は使えるが書き言葉には使えない文型など、ある程度、頭では理解していた“つもり”でしたが、本当に初めて授業を経験して身に染みて実感できました。(詳細は今後別のブログでまとめたいと思います)

学習者に多く会話させ、また、会話の誤用を聞き取り訂正する難しさを実感しました

 (私の場合です)学習が進むと、テストの点はいいのに、会話になると意外とできない学習者や、助詞の抜けや間違いがなかなか直らない学習者もいました。そして、「非文か非文でないか」、判断に迷う文を書いたり、発言したりする学習者もいました。本当に色々な学習者を見ることができました。でも、色々な学習者に対してどう対処したらいいのいか?正直、分からないのが実態です。少なくとも、会話に関しては、テストの会話問題の模範解答の会話だけで終わらず、その会話の続きを考えさせる。その時、これまで習った文型をできるだけ使って会話をさせる仕掛けが必要なことには気がつきました。でも、私には、まだ、それだけの文型知識がないです。

また、学習者の会話やスピーチはできるだけ気になったことはメモしておく。(頭の中では整理できない)

 判断に迷う文に対しては、「先生の宿題にします!」と言って、冷静に分析・判断して、『次の授業の冒頭に説明します。』と言って、何とか対応してきました。これらの経験を今後の授業にどう生かすかが重要です。

●今後の授業に必要なこと

使用するテキストの全体像を把握しておくこと

 できる日本語であれば【文末資料】(ポイント一覧表)を活用して、同じ文型をチェックする(どこに出てくるか)、同じ意味の文型をチェックしておく(同じ意味なのになぜ違うの)など、事前に把握しておけば文型導入時の説明や、学習者からの質問に対応しやすくなる。特に、できる日本語は、みんなの日本語と違い、導入する課で細かく分かれている文型もあります。そのことを事前に十分理解しておけば、学習者からの質問に対しても、「いい質問ですが、それはこの後、〇〇課で勉強します。」と言うことができます。準備も大変ですが、優先事項として最初にやるべきことです。(今さらですが・・・)

※一部ですが、現在、私なりにまとめています

(現在作成中のもの)※作成途中

文型の全体像を把握し、常に文型を勉強しておくこと

 授業を進めていくと、文型の導入の仕方のパターンもわかってきます。その文型に使える品詞を取り入れた文をできるだけ導入し、文型の品詞ごとにしっかりまとめる。また、その文型の肯定形だけでなく否定形があれば、それをセットにして導入もしておくことが必要です。現在形、過去形も同様です。どうしても、初めの頃はテキストに無い否定形や過去形もあるため、つい抜けてしまいます。そして、会話には使えるが書く言葉(作文や論文)に使わないなど、とにかく文型に関する全体像をできるだけ把握することが必要なため、私は、今「初級 日本語文法と教え方のポイント」(スリーエーネットワーク)の本で勉強を始めました。とても分かりやすい本なので、是非、参考にしてください。また、日本語教員試験対策として、「スモールステップで学ぶ「文法」」(スリーエーネットワーク)で文法を勉強しています。

★テキストの本(写真) 2冊です!

習った語彙や文型を使って会話をする仕掛け、短時間でできる確認テストなどを準備すること

 テキストの内容だけでは十分理解できない場合もあります。授業は限られた時間ですが、学生が本当に文型を理解し会話ができるのかを確認できるような【活動(=今日習った文型を使った会話練習)】を考えなければなりません。まだまだ模索中ですが重要な文型などでは、何とか具体的に授業に取り入れていきたいと考えています。また、助詞の間違いもなかなか直らない学生もいるので、短時間で助詞を確認するミニテストなども、同様に取り入れていきたいと思います。

●まとめ

 半年間の日本語教師の経験を通じて、学生から、また、同じ学校の先生から本当に色々と教えていただきました。「完璧な授業」をやるのではなく、「その場その場でしっかり学生に向き合い、最適な授業ができる」ように頑張りたいと思います。日本語教師になりたての方、本当に色々と大変なこともありますが、やはりやりがいのある仕事ですので、一緒に頑張りましょう!

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