第13課 親の気持ち・子の気持ち 1 町で見かけた子どもたち
はじめに
いよいよ13課ですね。ここでは、使役動詞が初めて導入されます。使役は『「強制」「許可」「原因」の3種類に分かれる』といろいろな本に書いてあります。できる日本語の13課で取り扱う文からは、「強制」と「許可」が混在している感じです(文の意味をどう理解するかですが・・・)。そのため、使役動詞は、誰が(親・先生・店長など)が、誰に(子ども、学生、アルバイトなど)に、「○○すること」を伝えるイメージしながら文型導入しました。特に「助詞」に注意しながらです。使役動詞の変換の仕方だけでなく、どんなときに、どんな場面で、どうして使うのかを、わかりやすい事例を示しながら説明していきましょう。ここをしっかりおさえないと、早々に使役受身になります。使役受身の理解のためにも頑張りましょう!
■第13課の行動目標
テレビや街中で気になることを見かけたとき、それについて意見を言ったり、それに関して自分の経験を話したりすることができる。
■第13課‐1 [できること] ※テキストP179より
自分の子どものことの経験を交えながら、簡単に意見を言うことができる。
導入する文型
① 使役動詞
[変換](動詞ⅠG) 【ナイ形】+せます 【ナイ形】+せる〈辞書形〉
(動詞ⅡG) 【マス形】+させます 【マス形】+させる〈辞書形〉
(動詞ⅢG) します ⇒ させます/させる〈辞書形〉
来(き)ます ⇒ 来(こ)させます/来(こ)させる〈辞書形〉
[意味]
先生、親、店長など目上の人が、学生や子どもアルバイトの人に「すること」を言うときに使います。
[注意]
・(Aさん)は(Bさん)を(名詞)を Vさせます。(×) ※「を」を2回使いません
・(Aさん)は(Bさん)に(名詞)を Vさせます。(○)
(例文)
先生は学生に作文を書かせます。
親は子どもを/に旅行させます。 ※「を」が1回の場合いは、「を」でも「に」でもOK
母親は子どもを/に公園で遊ばせます。 ※「を」が1回の場合いは、「を」でも「に」でもOK
② Vのを見ました
[接続] 【動詞:辞書形】+のを見ました
【動詞:テ形】いる+のを見ました
【動詞:タ形】+のを見ました
[意味]私は見ました。○○を。
(例文)Aさんがコンビニに入るのを見ました。
Aさんが公園で遊んでいるのを見ました。
Aさんが荷物を置いたのを見ました。
[注意]動詞のテ形の場合、「いる」をつける。
③ Vていました(過去の習慣)
[接続]【動詞:テ形】+いました
[意味]前(子どものころ、むかし)、よく○○をした。
(例文)子どものころ、よく野球をしていました。
[注意]友達言葉で言うとき、「○○していた。」でも「○○してた。」でもOK
↓↓↓ ①~③までの13課‐1の学習項目をまとめた内容です
上記内容をできる日本語の学習項目一覧表の順でまとめています。
まとめ
使役動詞の導入では、「誰が、誰に、何をさせたいのか?」。どうして、その文を使うのかを意識させることが重要です。単に動詞の変換だけでなく、しっかりとこのポイントを押えることができれば、使役受身への導入もスムーズにできると思いますが、学習者がこれまでの文型含めてつまずくと混乱してしまいます。これまで勉強した文型を復習しながら丁寧に導入していきましょう!
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