【新人講師向け】 できる日本語(初級)第1課~第5課

日本語教師(初心者向け)【授業サポート情報】

「テキストの文型全体を見てみましょう」シリーズ

はじめに

 今回のブログは、新人日本語教師として、初めて「できる日本語(初級)」を使って授業をするとき、どうしても初めのことは、自分が担当する課の一部だけを見て、授業準備をすると思います。実際、私の場合、授業準備が大変で、自分の担当する部分だけを調べるだけで精一杯でした。そのため、他の課のことや同じような文型の注意点などを見落としてしまう傾向がありました。ベテランの先生からは、「文型全体を見てください。」とは言われるものの、時間がない中、本当に苦労しながら準備をしてきました。その為、同じような苦労を少しでも解消できればと思い、3回に分けて、初級の文型(学習項目)の注意点として、同じような文型が他の課に無いかを中心に、簡単ですがまとめてみました。文型の意味や接続などに関しては、今回は掲載しておりませんので、他の文型の本などをご活用ください。

なぜ、「文型全体を知っておく必要があるか?」について

 クラスによると思いますが、文型導入時点で、既に多くの文型を勉強した学生から、たくさんの質問が想定されます。初級の段階では、導入する順番が決まっているため、まだ未導入の同じような言葉がある文型を質問してきます。その際、学生への回答としては、「今日の文型とは違います。後で出てくる文型です。」と言って対応しないと、他の学生が混乱します。そのために、「全体を知る」ことが求められるため、今回の内容をまとめました。

第1課~第5課の文型の注意ポイント

➀ ~から

[テキスト] 

・「~から」を使う文型が、「第3課‐1、3」、「第4課‐1」、「第5課‐2」にあります。 

[注意ポイント] 

・「第3課‐1,3」は、「起点」の「から」です。

 【N】(時間・曜日)から【N】(時間・曜日)まで 

(例文)私は、9時から12時まで勉強します。

・「第4課‐1」では、2つの文型があり、「起点」の「から」です。

 【N(場所1)】から【N(場所2)】までどのくらいですか

(例文)東京から大阪までどのくらいですか

 【N(場所1)】から【N(場所2)】まで[~時間・分]です

(例文)東京から大阪まで3時間です

・「第5課‐2」の文型の「から」は、「起因・原因」の「から」です

 ~から、~  

 (例文)昨日、雨でしたから、どこにも行きませんでした。

できる日本語(初中級)第1課で「~ので」が導入されます

② 4課‐2 形容詞が初導入です

[テキスト] 

・第4課‐2で、初めて【形容詞】(イ形容詞・ナ形容詞)が導入されます

 (例文)この料理は辛くないです

    私の町はにぎやかじゃありません

[注意ポイント]

・第4課‐1までは、【形容詞】は使うことができませんので注意が必要です。

③ 【N1(場所)】に【N2】があります ※格助詞「に」

[テキスト]

「場所」を示す格助詞「に」が、第4課‐1で導入されます。

 (例文)私の町きれいな川があります

[注意ポイント]

・第6課‐1で、場所を示す格助詞「で」が出てきます。

  【N1(場所)】で【N2】があります。

 (例文)今晩、大阪野球の試合があります

④ ~ね。(共感)

[テキスト]

共感を表す「~ね。」は、第4課‐3で導入されます。

 (例文) 寒いですね。

[注意ポイント]

確認の「~ね。」が、6課‐3で出てきます。

 (例文) 明日、6時ですね。

⑤ 第5課-3 マス形の初導入

[テキスト]

【動詞:マス形】が初めて導入されます。

・文型としては、【Vマス形】たいです

 (例文)ジュースが飲みたいです

⑥ 第5課‐1「それから」と第4課‐2「そして」の違い

[テキスト]

・第4課‐2「そして」

 (例文)この町はきれいです。そして、きれいです。

・第5課‐1「それから」

 (例文)昨日、映画を見ました。それから、食事をしました。

[注意ポイント]

・「(A)。そして(B)」は、(A)と(B)の時間的な順序は気にしません。(並列的)(対比

・「(A)。それから(B)」は、(A)と(B)の時間的な順序は大切です。(時系列的)(添加

■学習項目の順番に上記内容をまとめています。(テキストP270~)

注意点などを色を変えて追記しています

まとめ

 今回から、できる日本語(初級)の文型(学習項目)に関する注意点をまとめてみました。なんども書いていますが、授業準備をするときにこれから出てくる文型、これまでに出てきた文型の情報を中心にまとめています。個々の文型の注意点や接続に関しては、個別の参考書などを活用してください。時間が無い中で効率よく文型の情報を得ることができれば幸いです。頑張りましょう!

■文型参考資料のご紹介 (私も使っています)

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