はじめに ※第1課と同じ内容です※
できる日本語の中級は、これまでの初級、初中級とのテキストの構成がまったく違います。テキストの使い方などは、『できる日本語ひろば』のホームページに参考になる情報がたくさん掲載されています。テキストの使い方、教え方に関しては、下記ホームページをご覧ください。
★できる日本語ひろば
これまで文型を中心に、新人日本語教師向けに事前に知っておきたい注意点などをこれまで掲載してきました。中級に関しても同様に注意点を課ごとにまとめて掲載させていただきます。実際に「できる日本語(中級)」を使って授業の準備をする際に、少しでも効率的に役立てればと思って掲載させていただきます。他の文型に関する参考図書なども合わせて活用いただければ幸いです。
■第2課①~⑤の文型の注意ポイント など
◇第2課①より
1.~ている (動作の結果の状態)
【接続】
[来て/行って/帰って+いる] ※[動詞のテ形+いる]
【意味】
・どこかに行って・来て・帰って・そのままそこにいる(動作の結果の状態)
【注意】
・ここでは、「来て/行って/帰って」だけ取り扱う
・[V-テ形+ています]は他にも意味はたくさんあるので注意すること
(継続・結果・繰り返し・経験・完了・状態)
2.~によって
【接続】
[N+によって]
【意味】
・「N」が変わると、「変わる /違う/異なる /いろいろだ /さまざまだ …」
【注意】
・今回は【場合】(いろいろな場合に応じて)の意味ですが、
【原因・受身文の動作主・手段・よりどころ】などの意味もあるので注意が必要
3.~うちに
【接続】
[Vー辞書形・ナイ形ない/イAい/ナAな/Nの+うちに]
【意味】
・今の状態が変わる前に、~する
【注意】
・特にありません
4.~わりに
【接続】
[普通形(ナAな・ナAである/Nの・Nである)+わりに]
【意味】
・~から予想・期待することと違って、…
【注意】
・プラス(評価)でもマイナス(評価)でも、基準どおりでないときに使う言い方
◇第2課②より
1.~(が)いいんじゃない
【意味】
・~がいいと思うよ、どうですか
【注意】
・相手に提案するとき使う表現です。友達言葉。
2.~ようになっている
【接続】
[Vー辞書形・ナイ形ない+ようになっている]
【意味】
・~する/しないように作られている、 決められている
【注意】
・機械やシステムなどを説明のときに使う表現
◇第2課③より
1.~に限り
【接続】
[N+に限り]
【意味】
・~だけ
※Nの場合だけ特別に… N以外の場合は…が許されないという意味も含まれる
【注意】
・書き言葉
2.~こそ/~からこそ
【接続】
[N(+助詞)+こそ][普通形+からこそ]
【意味】
・強調するときに使う。
※理由を言いたい時は[普通形+からこそ]を使う
【注意】
・「~こそ」は、あるものごとを強調して、「他でもなくこれなのだ」という意味
・「~からこそ」は、理由や原因を取り立てて特に強調する言い方
・【強い気持ち】があるので、客観的な因果関係には使えない
3.~につき 【理由】
【接続】
[N+につき]
【意味】
・~だから ※看板、お知らせなどによく使われる
【注意】
・書き言葉で、改まったお知らせや掲示に使われる
◇第2課④より
1.____________ということだ
【接続】
[普通形+ということだ]
【意味】
・~という意味だ
【注意】
・「~ということですか」の形で、 「相手の言ったこと」を確認するとき使う
・「~ということだ」の縮まった形が[~っていうことだ」
2.~でしょうか
【接続】
[普通形(ナA/N)+でしょうか]
【意味】
・「ますか」「ですか」の丁寧な言い方
【注意】
・特にありません
◇第2課⑤より
1.「ますか」「ですか」の丁寧な言い方
【接続】
[普通形(ナAな・ナAである/Nの・Nである)+はずだ]
【意味】
・(理由があって)~だと強く思っている
【注意】
・話している人の行動には使わない
・話し手が、なんらかの根拠に基づいて、「当然そうであると考えたこと」を述べる場合に用いる
【話し手の判断】
・【話し手の判断】の意味意外に、【納得】などもあるがここでは取り扱わない
2.~向け
【接続】
[普通形(ナAな・ナAである/Nの・Nである)+はずだ]
【意味】
・~のために、~に合わせて(+作られている)
【注意】
・[(N1)向けの(N2)]は、「(N1)を対象として作られた(N2)」という意味を表す
・[N+向けに]は、「…を対象に・…を対象として」という意味を表す
■図書コーナー
●できる日本語 中級 本冊 【第2版】
●日本語文型辞典 改訂版
●「中級」「上級」の日本語を 日本語で学びぶ辞典