第13課 親の気持ち・子の気持ち 2 思い出すこと
はじめに
ここでは、使役受身形を勉強します。個人的には、使役受身形は言いにくく母語話者でも難しいと思うので、しっかり使役形、受身を復習して使役受身形を丁寧に導入することが必要です。できる日本語では、「受身形」とは言いません。「受身」ですが、使役受身は「使役受身形」になるので注意してください。また、私はよく、授業では、巻末のP228~P229の「動詞(V)の活用」を使って説明したり、変換練習をしています。
■第13課‐2 [できること] ※テキスト183より
子どものころ受けた教育で今の自分に影響を与えていることについて話すことができる。
導入する文型
① NばかりVています/Vてばかりいます
[接続] 【名詞】+ばかり+【動詞:テ形】+います
【動詞:テ形】+ばかりいます
[意味] いつも(V)をしています。よくないです。
(例文)○○さんはお菓子ばかり食べています。
○○さんはお菓子を食べてばかりいます。
[注意] よくないこと(マイナスのイメージ)です。いいことには使いません。
② 使役受身
[活用] 使役受身形は、動詞の1グループから順番に導入しました ※スペシャルが多い
【動詞1グループ】
(例) sera ⇒ sa
使います 使われる(受身) 使わせる(使役形) 使わせられる/(短い形)使わされる(使役受身形)
【動詞2グループ】
(例)
食べます 食べられる(受身) 食べさせる(使役形) 食べさせられる ※短い形なし(使役受身形)
起きます 起きられる(受身) ※起きさせる(使役形) ※使役受身形なし
⇒※起こす ⇒※起こされる
【動詞3グループ】
(例)
します させる(受身) させる(使役形) させられる ※短い形なし(使役受身形)
来ます 来られる(受身) 来させる(使役形) 来させられる ※短い形なし(使役受身形)
[意味] (この課での使役受身形は)やりたくないことをさせられる。
(例文)私は父に勉強させられる。
[注意] 使役受身形には「短い形」が無いものや、「起きる」などの使役受身形の無い動詞もある。
③ Vせてくれます/Vせてもらいます
[接続] 【使役動詞:テ形】+くれます/もらいます
[意味] とても丁寧なお願い。/自分がすることについて「ありがとう」。
/否定の場合は、残念・悲しい気持ち。
(例文)会議室を使わせてくれませんか。
会議室を使わせてくれました。
会議室を使わせてくれませんでした。
[注意]
「くれます/もらいます」は、「あげもらい」の授受表現と同じように、主語、助詞に注意すること。
(例文) 両親は私を留学させてくれました。/私は両親に留学させてもらいました。
↓↓↓ ①~③までの13課‐2の学習項目をまとめた内容です
上記内容をできる日本語の学習項目一覧表の順でまとめています。
まとめ
使役受身形には「短い形」があるもの無いものもあります。また、使役受身形にできない動詞もあり、学習者が悩むことが多いです。本当に慣れるまで大変です。そのため、丁寧に多くの事例を使って説明することと、どうして使役受身形を使うのか、どういう場面で、どういう意味で使うかなども説明しながら丁寧に導入しましょう。
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