第9課 アルバイト先で 1 アルバイト先のルール
はじめに
これまで「できる日本語(初中級)」の第8課までの文型で、新人向けに注意するポイントを私なりに整理してこのブログにまとめてきましたが、第9課から、少し違う視点の入れながらこの課で導入すべき文型の導入に向けて内容をまとめてみました。是非、みなさまの参考になれば幸いです。尚、毎回書かせていただいておりますが、これは、私のこれまでの経験(25年2月時点で、経験年数1年と3か月:週2日の授業経験)より、まとめておりますので、一部偏った考え方でまとめている部分もありますので、その点はご理解の上、ご一読いただければ幸いです。
■第9課の行動目標
集団の中で気持ちよく仕事ができるように、周りの人のことを考えながら、会話することができる。
■第9課‐1 [できること] ※テキストP121より
先輩からアルバイト先のルールを聞いたり、後輩に説明したりすることができる。
導入する文型
①Vることになっています(規則)
[接続] 【動詞:辞書形】+ことになっています
※【動詞:ナイ形】+ことになっています
[意味] ルール(○○という決まりである)を説明します。また、ルールを教えます。
※動詞のナイ形の場合は、「してはいけないルール」のときに使います
(例文) 学校を休むときは、必ず学校に電話することになっています。
お店で働いているときは、スマホは使わないことになっています。
[注意]
・ルール(○○という決まりである)以外には使えません。
(例)明日は、雨が降ることになっています。(×)
②Vるように、~ / Vないように、~
[接続] 【動詞:辞書形】+ように、~
【動詞:ナイ形】+ように、~
※動詞には可能動詞など無意志動詞が多い
[意味] ○○することができる(目的)ために、~する
(例文) 後ろの学生も聞こえるように、白板の字を大きく書きます。
先生に言われたことを忘れないように、ノートに書きます。
洗濯物が早く乾くように、外に干します。
[注意]
・第3課の「【動詞:辞書形】+ために、~」との違いを説明すること
(例) 日本で働くために、日本語を勉強しています。
【気持ちが強い(強い意志)】 ※動詞は意志動詞
日本で働けるように、日本語を勉強しています。
【できたらいいな・・・(お願い)】 ※動詞は無意志動詞(可能動詞)
・第11課①にも「~Vるようになります」がありますが、動詞は意志動詞で習慣を表すときに使う文型です
・ここでは、意志動詞、無意志動詞を使うかは、日本語学校の方針を確認してください。私は、無意志動詞は、自分でコントロールできない動詞。意志動詞は、自分でコントロールできる動詞。と説明しています。
③条件形
V (見る) 見れば 見なければ
イA (暑い) 暑ければ 暑くなければ
ナA (必要だ)必要なら 必要じゃなければ
N (風邪だ) 風邪なら 風邪じゃなければ
[注意]
・動詞の導入は、Ⅱグルー、Ⅲグループをしてから、Ⅰグループを説明します。
●あれば、~てください (「ある」条件形)
●なければ、~てください(「ない」条件形)
④Vるようにしてくだだい / Vないようにしてください
[接続] 【動詞:辞書形】+ようにしてください
【動詞:ナイ形】+ようにしてください
[意味] いつも気をつけて、~してください。
(例文) (お客様には)元気であいさつするようにしてください。
(お役様の)注文を間違えないようにしてください。
[注意]
・動詞は意志動詞を使います。
・(初級)第7課②「~てください」との違いを説明する
「~てください」より「~ようにしてください」は、丁寧なお願いです。
(例) 明日ここに来てください。
(強いお願い)
明日ここに来るようにしてください。
(「~てください」より、ていねいなお願い)
↓↓↓ ①~④までの第9課‐1の学習項目をまとめた内容です
上記内容をできる日本語の学習項目一覧表の順でまとめています。
まとめ
今回は、アルバイトをしている学生には、わかりやすい会話です。アルバイト先の先輩、後輩を想定して、相手の立場や気持ちを考えて、アルバイト先のルール(規則)を説明したり、聞いたりする文型を学びます。これまで勉強した文型を引き出して、今回勉強する文型との違いなども説明することで、学生はより理解しやすくなると思います。文型導入は時間もかかります。また、定着練習や会話練習も必要です。授業の準備を進めるときは、時間配分も重要になりますので、私の場合は、最悪、ここはカットする。説明だけにする。読むだけにする。読ませるだけにするなど決めて授業に臨んでします。頑張りましょう!