日本語教育能力検定試験の過去問(問題4~問題6)を使った対策について
- ①日本語教育能力検定試験の試験Ⅱの問題4と問題5について
- ②日本語教育能力検定試験の試験Ⅱの問題6について
- 問題6の誤用のパターンをまとめました!
- 主題と述語のねじれ
- 呼応の誤り
- コロケーションの誤り
- スピーチスタイルの誤り
- アスペクトの誤り
- 付帯状況の表現の誤り/付帯状況を表す表現の誤り
- テンスの誤り
- モダリティ表現の誤り
- 助詞の誤り
- 助詞の脱落
- 対象を表す助詞の誤り
- 通過点を表す助詞の誤り
- 格助詞の誤り
- 格助詞と係助詞の混同
- 複合助詞の誤り
- 「を」と「に」の混同
- 「の」の脱落
- 母音の交替が起こっていない
- 連濁が起こっていない/濁音していない
- 音位転換が生じている
- 名詞の接続の誤り
- 名詞の用法の誤り
- 名詞修飾の誤り
- 形式名詞の誤り
- 名詞とイ形容詞の誤り
- イ形容詞とナ形容詞の混同
- ナ形容詞と動詞の混同
- ナ形容詞の活用の誤り
- 形容詞と動詞の混同
- 形容詞の誤り
- 副詞の誤り
- 自動詞と他動詞の混同
- 動詞と名詞の混同
- 動詞の活用の誤り
- 動詞の選択の誤り
- 動詞の誤り
- 有対他動詞の誤り
- 可能表現の誤り
- 可能形の誤り
- 可能形の過剰使用
- 可能形の不使用
- 可能表現の付加
- 意向形の誤り
- 有声・無声の混同
- 補助動詞の誤り
- 接続表現の誤り
- 連体修飾の誤り
- 条件節の誤り
- 条件表現の誤り
- 並列の表現の誤り
- 従属節の誤り
- 丁寧形の過去形の作り方の誤り
- 使役表現の不使用
- 使役形の不使用
- 受身表現の不使用
- 間接受身文の不使用
- 不要な助詞の使用
- 不要な授受表現の誤り
- 授受を表す補助動詞の誤り
- 受身と使役受身形の混同
- 動作主の標示の誤り
- 謙譲語Ⅱと謙譲語Ⅰの混同
- 不要な謙譲語の使用
- 敬語表現の誤り
- 「依頼」と「勧め」の混同
- 否定と肯定の誤り
- 様態表現の付加
- 決定を表す表現の付加
- 対象の脱落
- 原因・理由の表現の誤り
- 目的表現の誤り
- 熟字訓の読み方の誤り
- 助数詞の誤り
- 問題6の誤用のパターンをまとめました!
- ③まとめ
①日本語教育能力検定試験の試験Ⅱの問題4と問題5について
日本語教員試験 応用試験(聴解)対策 【1/2】の続きになります。問題4と問題5に関しては、日本語教員試験での違いが分かりませんでしたので、素直に過去問として取り組まれて問題は無いと思います。
私の場合、どうしても何度も同じ問題を解くと答えが頭の中に出てくるので、聴解訓練は、日本語教育能力検定試験の試験Ⅱの問題1、問題2、問題3、問題6のみ、令和元年から令和5年の5年分の過去問を、何度も繰り返し取り組みました。つまり、問題4、問題5の問題は、ほとんどやっていません。
【問題4,5の対策について】
・初めて取り組まれる方は、各年度を2回ほど取り組まれて、問題に慣れる程度でよいと思います。
・特に、聴解が弱い人は、その時間を、問題1、問題2、問題3と、これから説明する問題6だけで十分と思います。
②日本語教育能力検定試験の試験Ⅱの問題6について
この問題6は、日本語教員試験と同じで、音声は1回だけ聞くだけで、瞬時に誤用を判断する問題です。何度も聞いているうちに、「何が違っているか」を瞬時に判断できるようになりました。(私の場合、年数がかかりましたが)そのことから、問題6の取り組みは、聴解の点数をアップさせるに効果があると実感しています。
★過去の試験Ⅱの問題6より、色々なパターン整理してみました。
※順不同に列挙していきます
★実際の問題を解きながら、下記のパターンに照らし合わせてみてください。
問題6の誤用のパターンをまとめました!
主題と述語のねじれ
(例)私の悪いところは、落ち着いて考えないところです。(正解のパターン)
⇒ 私の悪いとことは、落ち着いて考えないです。(×)
呼応の誤り
(例)今日はうどんしか食べない。(正解のパターン)⇒今日はうどんしか食べる。(×)
コロケーションの誤り
(例)雨が降りました。(正解のパターン)⇒ 雨が落ちました。(×)
スピーチスタイルの誤り
(例)暗くなりましたが・・・(正解のパターン)⇒ 暗くなったが・・・(×)
※丁寧形から突然普通形に変化する
アスペクトの誤り
(例)○○が落ちています。(正解のパターン)⇒ ○○が落ちてあります。(×)
覚えてくれない。(正解のパターン)⇒ 覚えてくれてない。(×)
何も飲まないで。(正解のパターン)⇒ 何も飲んでいないで。(×)
昨日から何も食べていないのでお腹が空いています。(正解のパターン)
⇒ 昨日から何も食べないでお腹が空いています。(×)
付帯状況の表現の誤り/付帯状況を表す表現の誤り
(例)○○を入れないで飲む。(正解のパターン)⇒ ○○を入れなくて飲む。(×)
スマホを持たないで、学校に行った。(正解パターン)
⇒ スマホを持たなくて、学校に行った。(×)
テンスの誤り
(例)みんなに早く知らせた結果、問題はありませんでした。(正解のパターン)
⇒ みんなに早く知らせる結果、問題はありませんでした。(×)
モダリティ表現の誤り
(例)私は食べます。(正解のパターン)⇒ 私は食べそうです。(×)
助詞の誤り
(例)○○はありません。(正解のパターン)⇒ ○○がありません。(×)
日本で働く。(正解パターン)⇒ 日本に働く。(×)
助詞の脱落
(例)老人を中心にした集まりです。(正解のパターン)⇒ 老人を中心した集まりです。(×)
対象を表す助詞の誤り
(例)公園で友達と遊びます。(正解のパターン)⇒ 公園で友達に遊びます。(×)
○○にぶつからなかった。(正解のパターン)⇒ ○○がぶつからなかった。(×)
通過点を表す助詞の誤り
(例)この橋を渡る。(正解のパターン)⇒ この橋に渡る。(×)
格助詞の誤り
(例)財布をなくしてしまった。(正解のパターン)⇒ 財布がなくしてしまった。
格助詞と係助詞の混同
(例)どこがいいですか。(正解のパターン)⇒どこはいいですか。(×)
複合助詞の誤り
(例)新聞によると、昨日火事があったそうです。(正解のパターン)
⇒ 新聞によって、昨日火事があったそうです。(×)
彼にとって、初めての経験だ。(正解のパターン)⇒ 彼のために、初めての経験だ。(×)
「を」と「に」の混同
(例)○○に出ます。(正解のパターン)⇒ ○○を出ます。(×)
「の」の脱落
(例)食べるのと、作るのとどっちが好きですか。(正解のパターン)
⇒ 食べると、作るのとどっちがすきですか。(×)
※形式名詞の「の」の脱落
母音の交替が起こっていない
(例)さかや(酒屋)(正解のパターン)⇒ さけや(×)
連濁が起こっていない/濁音していない
(例)水不足(みずぶそく)。(正解のパターン)⇒ みずふそく。(×)
音位転換が生じている
(例)明日は潮干狩り(しおひがり)です。(正解のパターン)
⇒ 明日は(ひおしがり)です。(×)
名詞の接続の誤り
(例)(名詞)だから、~。(正解のパターン)⇒ (名詞)から、~。(×)
名詞の用法の誤り
(例)男はだまって○○ビール!(昔の某CM)。(正解のパターン)
⇒男たちは黙って○○ビール!(×)
名詞修飾の誤り
(例)多くの車が走っています。(正解のパターン)⇒ 多い車が走っています。(×)
形式名詞の誤り
(例)昔ここでよく泳いだものだ。(正解のパターン)⇒ 昔ここでよく泳いだことだ。(×)
このお店で、買うことができますよ。(正解のパターン)
⇒ このお店で、買うのができますよ。(×)
名詞とイ形容詞の誤り
(例)彼が選んだのは、黄色のカバンだ。(正解のパターン)⇒彼が選んだのは、黄色いのカバンだ。
イ形容詞とナ形容詞の混同
(例)赤い傘。(正解のパターン)⇒ 赤いな傘。(×)
わからないことは気軽に聞いてください。(正解のパターン)
⇒ わからないことは気軽く聞いてください。(×)
ナ形容詞と動詞の混同
(例)暇です。(正解のパターン)⇒ 暇でいます。(×)
ナ形容詞の活用の誤り
(例)食べるのは好きだけど、作るのは嫌いです。(正解のパターン)
⇒ 食べるのは好きけど、作るのはきらいです。(×)
形容詞と動詞の混同
(例)問題が違います。(正解のパターン)⇒ 問題が違いです。(×)
形容詞の誤り
(例)冷たいうどんを食べます。(正解のパターン)⇒ 涼しいうどんを食べます。(×)
副詞の誤り
(例)ここで、ときどき遊びます。(正解のパターン)⇒ ここで、たまたま遊びます。(×)
おいしいので、ほとんど食べました。(正解のパターン)
⇒ おいしいので、たいてい食べました。(×)
自動詞と他動詞の混同
(例)○○を増やすべきです。(正解のパターン)⇒ ○○を増えるべきです。(×)
手紙が届いた。(正解のパターン)⇒ 手紙が届けた。(×)
勉強を続けています。(正解のパターン)⇒ 勉強を続いています。(×)
動詞と名詞の混同
(例)(名詞)がある。(正解のパターン)⇒ (名詞)しました。(×)
動詞の活用の誤り
(例)体を動かすのは大変です。(正解のパターン)⇒ 体を動かしのは大変です。(×)
私がやらざるを得ない。(生活のパターン)⇒ 私がやりざるを得ない。(×)
動詞の選択の誤り
(例)声が小さくて聞こえません。(正解のパターン)⇒ 声が小さくて聞きません。(×)
ここでもよく見えます。(正解のパターン)⇒ ここでもよく見られます。(×)
動詞の誤り
(例)この問題のわからないことが理解できました。(正解のパターン)
⇒ この問題のわからないことが了解できました。(×)
有対他動詞の誤り
(例)お湯を沸かしておきました。(正解のパターン)⇒ お湯を沸いておきました。(×)
可能表現の誤り
(例)ここから電車が見えます。(正解のパターン)⇒ ここから電車が見られます。(×)
可能形の誤り
(例)今から帰れます。(正解のパターン)⇒ 今から帰られます。(×)
可能形の過剰使用
(例)日本語が分かるようになりました。(正解のパターン)
⇒ 日本語が分かれるようになりました。(×)
可能形の不使用
(例)どんなに頼んでも教えてもらえなかった。(正解のパターン)
⇒ どんなに頼んでも教えてもらわなかった。(×)
可能表現の付加
(例)日本語がもっと上手になるように頑張ります。(正解のパターン)
⇒ 日本語がもっと上手になれるように頑張ります。(×)
意向形の誤り
(例)さあ、寝よう!(正解のパターン)⇒ さあ、寝ろう!(×)
有声・無声の混同
(例)腰(こし)が痛い。(正解のパターン)⇒ ごしが痛い。(×)
補助動詞の誤り
(例)(動詞のテ形)いませんか。(正解のパターン)⇒(動詞のテ形)ありませんか。(×)
接続表現の誤り
(例)一生懸命勉強したら、合格できるでしょう。(正解のパターン)
⇒ 一生懸命勉強すると、合格できるでしょう。(×)
連体修飾の誤り
(例)試験会場に関する注意事項。(正解のパターン)⇒ 試験会場に関するの注意事項。(×)
条件節の誤り
(例)この橋を右に曲がって行くと・・・(正解のパターン)
⇒ この橋を右に曲がって行って・・・(×)
条件表現の誤り
(例)大阪に行ったら、たこ焼きを食べてください。(正解のパターン)
⇒ 大阪に行くと、たこ焼きを食べてください。(×)
並列の表現の誤り
(例)このアパートは、広くて、きれいです。(正解のパターン)
⇒ このアパートは、広いし、きれいです。(×)
従属節の誤り
(例)もし○○しないなら、○○が泣きます。(正解のパターン)
⇒ もし○○しないとき、○○が泣きます。(×)
丁寧形の過去形の作り方の誤り
(例)暇そうでした。(正解のパターン)⇒ 暇そうだったです。(×)
使役表現の不使用
(例)留学させてほしいです。(正解のパターン)⇒ 留学してほしいです。(×)
使役形の不使用
(例)帰らせていただけませんか。(正解のパターン)⇒ 帰していただけませんが。(×)
受身表現の不使用
(例)忘れられていった。(正解のパターン)⇒ 忘れていった。(×)
覚えてくれてありがとう。(正解のパターン)⇒ 覚えてありがとう。(×)
配置転換されて人事部に移動した。(正解のパターン)⇒配置転換して人事部に移動した。(×)
間接受身文の不使用
(例)私は手を噛まれて痛かった。(正解のパターン)⇒ 私の手は噛まれて痛かった。(×)
不要な助詞の使用
(例)いくら言われても書きません。(正解のパターン)⇒ いくら言われても書きられません。(×)
不要な授受表現の誤り
(例)料金をお支払いします。(正解のパターン)⇒ 料金をお支払いしてあげます。(×)
授受を表す補助動詞の誤り
(例)先生は、私を助けてくれました。(正解のパターン)
⇒ 先生は、私を助けてあげました。(×)
受身と使役受身形の混同
(例)靴を踏まれました。(正解のパターン)⇒ 靴を踏まされました。(×)
動作主の標示の誤り
(例)○○は○○によって造られた。(正解のパターン)⇒ ○○は○○に造られた。(×)
謙譲語Ⅱと謙譲語Ⅰの混同
(例)○○と申します。(正解のパターン)⇒○○と申し上げます。(×)
不要な謙譲語の使用
(例)昨日、母にお土産を送りました。(正解のパターン)
⇒ 昨日、母にお土産をお送りしました。(×)
※母は身内なので謙譲語不要
敬語表現の誤り
(例)受付までご連絡ください。(正解のパターン)
⇒ 受付の方までご連絡ください。(×)
「依頼」と「勧め」の混同
(例)○○先生、私の○○をお書きくださいませんか。(正解のパターン)
⇒ ○○先生、私の○○をお書きになりませんか。(×)
否定と肯定の誤り
(例)今回は、賛成しかねる。(正解のパターン)⇒ 今回は、賛成しかねません。
※「~しかねる」で否定の意味がある
様態表現の付加
(例)これは本当ですね。(正解のパターン)⇒ これは本当そうですね。
※「~そう」には、「様態」と「伝聞」があります。今回は「様態」が負荷されている
決定を表す表現の付加
(例)なんだが眠くなりました。(正解のパターン)⇒ なんだか眠くなることになりました。
※「眠い」無意志動詞、決定するものではない
対象の脱落
(例)昨日から頭が痛い。(正解のパターン)⇒ 昨日から痛い。(×)
原因・理由の表現の誤り
(例)今日は寒いので、出かけないでください。(正解のパターン)
⇒ 今日は寒くて、出かけないでください。(×)
目的表現の誤り
(例)日本語が書けるよう、毎日勉強します。(正解のパターン)
⇒ 日本語が書けるために、毎日勉強します。(×)
※「~ために」は、動詞の可能形は(×)
熟字訓の読み方の誤り
(例)雪崩(なだれ)(正解のパターン)⇒ ゆきくずれ。(×)
助数詞の誤り
(例)何年か後に(正解のパターン)⇒ 何年間か後に(×)
③まとめ
今回は、日本語教育能力検定試験の過去問(問題4~問題6)を使った練習について書きました。やはり、過去問を使った聴解練習が一番合格への近道と思います。問題4と5は、一度説いてしまうと、答えを覚えてしまうので、私の場合は、ほとんどやりませんでした。逆に、問題6は、音声1回の即答形式の問題なので、逆に、何度も聞くことで、誤用の種類が想定できるまで練習をしました。そのため、今回まとめたようなパターンを瞬時に認識できるようになりました。はじめのころは、正直、何が間違っているのか分かりませんでした。問題1は、実は、本当に何度やって安定しませんでしたが、問題6に関しては、私としては訓練次第である程度点数が取れるようになりました。何度も同じことを書きますが、聴解が苦手な人は、早め早めに、少しでも多くの問題を聞きはじめましょう!
★【参考情報】★
※私の場合は、日本語教育能力検定試験の過去問(R5年~R1)は購入しました。
■日本語教育能力検定試験 過去問 ※Amasonのリンクが貼ってあります!
■日本語教員試験対策本として ※Amasonのリンクが貼ってあります!
・日本語教員試験 まるわかりガイド ※Amasonのリンクが貼ってあります!
■発売予定の日本語教員試験(応用試験)対策の本です。私は予約しました。