第10課 旅行に行って 1 ハプニング
はじめに
いよいよ10課に入りました。テーマが旅行なので学生も興味のある内容です。今回の「受身」は、初めて導入されます。単なる受身の変換ではなく、どういうときに受身を使うのか?どんな場面で使うのか?など含めて練習することが重要です。また、今後、「使役」を勉強した後、「使役受身」へとつながるので、しっかり定着させる必要があります。そして、ここでは、「様態」を勉強します。もののありかたから、その様子などを伝える文型を勉強します。色々な文型がでてきますが、混乱しないように説明することが重要です。この課で必要な参考情報を簡単ですが、まとめてみました。是非、みなさまの参考になれば幸いです。尚、毎回書かせていただいておりますが、これは、私のこれまでの経験(25年2月時点で、経験年数1年と3か月:週2日の授業経験)より、まとめておりますので、一部偏った考え方でまとめている部分もあります、その点ご理解の上、ご一読いただければ幸いです。
■第10課の行動目標
旅行中に起こった困った状況や今の状況を他の人に伝えたり、観光スポットで目にした風景や建物について簡単に説明したりすることができる。
■第10課‐1 [できること] ※テキストP137より
旅行先で予期できない状況や不利益な状況になったとき、その状況や問題点などを簡単に説明することができる。
導入する文型
➀受身 ※できる日本語では「受身形」とは言わず「受身」
[どんな時に使いますか]
◎自分で自分のことを言うとき
(例)先生は私をほめました。⇒ 私は先生にほめられました。
(受身)
◎Aさんは、Bさんをパーティーに招待しました。の文で、Bさんのことを言うとき
(例)Bさんは、Aさんにパーティーに招待されました。
◎誰かが(他のものが)、自分の体やものに何かをして、いやな気持になったときに言う
(例)私は知らない人に私の足を踏まれました。
[受身の導入パターンと注意]
・できる日本語では「受身形」とは言わず「受身」です(取扱いは日本語学校によると思いますが)
・動詞のⅡ、Ⅲグループから受身を導入し、最後に動詞のⅠグループの受身を導入します
・「受身」は7課で勉強した「尊敬動詞」と同じ形になることは説明します。
・7課の「尊敬動詞」で勉強したとき、
(例)先生は8時にお寝になりました。(×)
⇒お休みになりました。と説明しましたが、今回「受身」で変換練習した後、「寝られました。」も尊敬動詞ですと補足しました。
・「受身」にできない動詞があることは説明します。※どこまで説明するかクラスのレベルによると思います
◎能力を表さす動詞「できる」や動詞の可能形
◎自発的な意味を持つ動詞「聞こえる、見えるなど」
◎もともと受身の意味があるもの「見つかり、教わるなど」
◎無意志動詞で「ある、要るなど」
②~のに、~
[接続] 【動詞:普通形】+のに、~
【名詞:普通形】だ⇒な+のに、~
【ナ形容詞:普通形】だ⇒な+のに、~
【イ形容詞:普通形】+のに、~
[意味] ①(いつも)~したらなるのに、(でも)~しない。(ならない。)
②(N)なら~ですが、(でも)~でない。(ならない。)
➀(例文)ジュースのボタンを押したのに、ジュースが出ない。
②(例文)冬なのに、今年は温かいです。
[注意]
・12課で「【動詞:辞書形】+のに、~」があります。意味が「評価」ですので違います。
・10課は、「逆接、対比」の「のに」です。
・【名詞】、【ナ形容詞】は、『「な」+のに、~』になる
③~みたいです(様態)
[接続]【動詞:普通形】+みたいです
【名詞:普通形】だ+みたいです
【ナ形容詞:普通形】だ+みたいです
【イ形容詞:普通形】+みたいです
[意味]情報を見る、聞きます。考えます。そして、そのことを話します。
(例文)火事があったみたいです。
[注意]
・この文型は、「話し言葉」です。
・「~みたいです」はカジュアルな言い方です。
・【名詞】、【ナ形容詞】は、『「だ」+みたいです』になる
④~ようです(様態)
[接続]【動詞:普通形】+ようです
【名詞:普通形】だ⇒の+ようです
【ナ形容詞:普通形】だ⇒の+ようです
【イ形容詞:普通形】+ようです
[意味]情報を見る、聞きます。考えます。そして、そのことを話します。
(例文)火事があったようです。
[注意]
・話し言葉です。
・「~みたいです」より、丁寧ですので、あまり知らない人、目上の人に使い事が多いです。
・【名詞】、【ナ形容詞】は、『「だ」⇒「の」+ようです』になる
↓↓↓ ①~④までの10課‐1の学習項目をまとめた内容です
上記内容をできる日本語の学習項目一覧表の順でまとめています。
まとめ
はじめての「受身」なので、短時間で理解はできません。日を変えて練習することが重要です。また、どうして『「受身」を使って話すのか?、「受身」を使わないとどうなるか?』など、文を比較して、学生に考えてもらうことも重要になります。「受身」にできない動詞をどうやって説明するか、どこまで説明するかなど悩ましい問題もあります。日本語学校の方針や他の先生の意見なども聞きながら進めましょう。また、同じ意味なのに違う文型がこれからも出てきます。「~ようです/~みたいです」の使い方など、本当にこれまで考えたことが、正直ありませんでした。やはり、学生は「同じ意味なのに、どうして違うの?」の質問が多いです。なかなか「これはこれ、それはそれと」と説明できない場合もあり、日本人でも使い分けせずに話していることもあります。本当に大変ですが、その場で回答できない場合は、私の場合は、「これ、先生の宿題です。」と言って、次の日に説明するようにしています。色々と大変ですが、学生からの質問が講師を育てます。頑張りましょう!
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