【新人講師向け】 できる日本語(中級)第3課①~④

日本語教師(初心者向け)【授業サポート情報】

【更新日】2025年10月26日

■はじめに ※第1課と同じ内容です※

 できる日本語の中級は、これまでの初級、初中級とのテキストの構成がまったく違います。テキストの使い方などは、『できる日本語ひろば』のホームページに参考になる情報がたくさん掲載されています。テキストの使い方、教え方に関しては、下記ホームページをご覧ください。

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「できる日本語ひろば」は、『できる日本語』シリーズを使っていらっしゃる方、関心のある方のための「ひろば」です。実践に向けて役立つ情報、皆さまの実践報告、教師募集などを盛り込んでいきます。

 これまで文型を中心に、新人日本語教師向けに事前に知っておきたい注意点などをこれまで掲載してきました。中級に関しても同様に注意点を課ごとにまとめて掲載させていただきます。実際に「できる日本語(中級)」を使って授業の準備をする際に、少しでも効率的に役立てればと思って掲載させていただきます。他の文型に関する参考図書なども合わせて活用いただければ幸いです。

■第3課①~④の文型の注意ポイント など

◇第3課①より 

1.~はずがない 

【接続】

[普通形(ナAな・ナAである/Nの・Nである)+はずいがない]

【意味】

・ほとんど可能性がない。話す人が「絶対に~でいない」「無理だ」と思っているときの言い方。

【注意】

※学生に違いを質問された場合として・・・

・「~ないはずだ」と「~はずがない」を比べた場合、「~ないはずだ」は、可能形の否定の場合は、話し手の主張が「~はずはない」と比べ少し弱い。

・「~ないはずだ」は、話し手の否定的な判断を表す。

2.~なんて 〈評価の対象〉

【接続】

[普通形{ナA(だ)/N(だ)}+なんて]

【意味】

・予想していなかったことを聞いたり見たりして、驚いたとき使う表現。

【注意】

・後件には「うらやましい。ひどい。」などの評価を表す表現がきます。その評価の対象となる事柄を表す。

・会話の言葉。くだけた話し言葉です。

・「なんて」の意味はたくさんあります。今回は「評価の対象」だけ取り扱うことになります。

3.(~ば)~ほど 〈相関〉

【接続】

[(Vー条件形)Vー辞書形+ほど]

[(イAければ)イAい+ほど]

[{ナAなら(ば)・ナAであれば}ナAな・ナAである+ほど]

[{Nなら(ば)・Nであれば}Nである+ほど]

【意味】

・二つあるものの一つが変化すると、残り一方も変化すること。

【注意】

・同じ語を2回使います。「ほど」には多くの意味があります。今回は「相関」のみ取り扱います。

4.~でも

【接続】

[N(+助詞)+でも]

【意味】

・例えばとして例をだす話し方。

【注意】

・1課④3「でも」(ある物事、特に極端なん例を挙げて、「他の場合はまして言うまでもない/なさそうだ」という意味)は導入済みです。

(例)この料理は簡単だから、子どもでも 作れます。

◇第3課②より 

1.こんな~/そんな~/あんな~/どんな~

【接続】

[こんな+N]

【意味】

・~のような,みたいな 

【注意】

※特になし

2.~ふうに

【接続】

[こんな/そんな/あんな/どんな/こういう/そういう/ああいう/どういう+ふうに]

【意味】

・「~ように /~みたいに~する」 

【注意】

・やり方などを、見せながら説明するときによく使われ表現です。

・「やり方・方法・状態」などに付けて、例を挙げて説明するのに使うこと。

3.~ことで

【接続】

[V/イA/ナAの普通形(ナAな)+ことで]

【意味】

~で(方法/手段、原因)

【注意】

・後件には、前件による結果がきます。

・[Nのことで]は意味が異なるので注意が必要です。「~について」のという意味になる。

◇第3課③より  

1.______なあ

【接続】

[文(普通体)+なあ]

【意味】

・一人で自分の気持ちや希望を話すとき使う。 

【注意】

・「~かな」のくだけた話し言葉である「~かなあ」(疑問の気持ち)との違いには注意すること。

2.~ことがある/~こともある

【接続】

[Vー辞書形・ナイ形ない+ことがある]

【意味】

・~ときがある。いつもではないが、ときどき~する 、なる

【注意】

・頻度の高い出来事の場合には使えない。

・「~ことがある/~こともある」は同じ意味ですが、並列の意味があるときは「も」を使う場合が多い。

3.~にとって

【接続】

[N+にとって]

【意味】

・~の立場から言うと、…(大切、大変、便利、簡単、難しい、いい、悪い など【評価を表す表現】が続く) 

【注意】

・「賛成・反対・感謝する」「好き、嫌い」などの態度の表明に関わる表現には用いることができない。

(例)その案は、私にとって反対です。(×) ・サッカーは、私にとって好きです。(×)

◇第3課④より  

1.~ことだし

【接続】

[普通形(ナAな・ナAである/Nの・Nである)+ことだし]

【意味】

・~だから ~するのがいいと思っている 

【注意】

・みんなも知っている、わかっていることが、その理由や事情であることが必要です。

・「ことだ+し」で構成されている。

・「ことだし」の丁寧形は「ことですし」になる。

2.~てくれない?/~てくれる?

【接続】

[Vーテ形+くれない]

【意味】

・~てもらえませんか 

【注意】

・友達言葉です。「~てくれますか」「~てくれませんか」の方が丁寧な言い方です。

・「~てくれる」より「~てくれない」の方が、少しだけ遠慮している感じがする。

3.~じゃない?/~んじゃない?

【接続】

[ナA/N+(なん)じゃない?]

[イAい/Vー辞書形+んじゃない]

【意味】

・私は ~と思うけど、どうですか 

【注意】

・友達言葉です。「~ではないですか」のくだけた言い方です。

■図書コーナー

●できる日本語 中級 本冊 【第2版】

●日本語文型辞典 改訂版

●「中級」「上級」の日本語を 日本語で学びぶ辞典

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