【新人講師向け】 できる日本語(中級)第4課①~⑤

日本語教師(初心者向け)【授業サポート情報】

はじめに ※第1課と同じ内容です※

 できる日本語の中級は、これまでの初級、初中級とのテキストの構成がまったく違います。テキストの使い方などは、『できる日本語ひろば』のホームページに参考になる情報がたくさん掲載されています。テキストの使い方、教え方に関しては、下記ホームページをご覧ください。

★できる日本語ひろば

できる日本語ひろば 運営:できる日本語教材開発・普及プロジェクト | できる日本語教材開発・普及プロジェクト
「できる日本語ひろば」は、『できる日本語』シリーズを使っていらっしゃる方、関心のある方のための「ひろば」です。実践に向けて役立つ情報、皆さまの実践報告、教師募集などを盛り込んでいきます。

 これまで文型を中心に、新人日本語教師向けに事前に知っておきたい注意点などをこれまで掲載してきました。中級に関しても同様に注意点を課ごとにまとめて掲載させていただきます。実際に「できる日本語(中級)」を使って授業の準備をする際に、少しでも効率的に役立てればと思って掲載させていただきます。他の文型に関する参考図書なども合わせて活用いただければ幸いです。

第4課①~⑤の文型の注意ポイント など

◇第4課①より 

1.お・ご ~です/お・ご~でしょう

【接続】

[お+Vーマス形+です]

[ご+N+です]

【意味】

・「~ています(か)」、「(これから)~ます(か)」らの尊敬語です。

【注意】

・「ごNです」の[N]には漢語名詞の場合が多い。

・「お」、「ご」の区分けをどうしたらいいのか質問する学生が多いので一般事例の準備は必要です。

2.~場合

【接続】

[普通形(ナAな/Nの)+場合]

【意味】

・(いろいろなことがありますが、 )~のときは・・・

【注意】

・「…ときは」と言いかえられますが、話し手の個人的な経験からの具体的な時間関係を表す文には、「場合」は使えません。

(例文)私が行った場合、会議は始まっていた。

3.~ないことには~ない 

【接続】

[Vーナイ形/イAく/ナAで/Nで+ないことには~ない]

【意味】

・~なければ、・・・わからない /できない 

【注意】

・『(A)ないことには(B)ない』は、(A)は(B)の成立のための必要条件であること。

・(A)が実現しないと(B)が実現しないこと。

◇第4課②より

1.~たいことがあるんですが 

【意味】

・目上の人や初めて会った人に、お願いしたいとき、丁寧に話し始める言い方です。

【注意】

・(例文)「伺う」は、(うちへ)行くの【謙譲語】です。(聞くの謙譲語でもあります)

・希望の表現として「伺いたい」でもOKですが、より丁寧に言う場合「お伺いしたい」となる。

・「お聞きしたいことがあります」より、更に丁寧に言うときに使います。

・「Vーマス形+たいです」⇒します+たいです⇒したいです。

・「伺います+たいです」⇒(○)伺いたいです   

 (×)お伺いたいです【二重敬語】(不自然)

・(参考)「お伺いする+いたす」⇒お伺いいたします(二重敬語ですが、ビジネス的には使用している)

★あまり複雑に説明しないようにすることが重要です★

2.~(よ)うとする 〈直前〉〈試み〉

【接続】

[Vー意向形+とする]

【意味】

・~(よ)うと思う

【注意】

・〈直前〉そうしようと思って、そのことを始める直前の状態にいることを表します。

・〈試み〉そうしようと思って、がんばっていることを表すこともあります。

3.~みたいなんですが/~ようなんですが 〈推量〉

【接続】

[普通形+みたいだ] [ナA/N+みたいだ]

[普通形+ようだ] [ナAな/Nの+ようだ]

【意味】

・少し控え目に状況を説明するときの表現です。

【注意】

・「~みたいだ」と「~ようだ」を比べると「~ようだ」が少し改まった言い方です。

(みたい(話し言葉)ようだ(書き言葉))

・「~そうだ」との違い(推量・様子・伝聞)にも注意してください。

4.~ていただきたいんですが 

【意味】

・相手に何かをしてほしいときに使う言い方で謙譲表現です。

【注意】

・「てもらいたい」に対する謙譲表現。「~ていただきたい」とそのまま使うと、形は丁寧だか、強い要求を表すことが多いです。

・「てもらいたんですが。」と文末を言いきらない形にして、遠慮がちに依頼する言い方です。

◇第4課③より  

1.~には 

【接続】

[Vー辞書形+には]

【意味】

・~するために(…が必要だ …しなければならない)

【注意】

・ここでは、[Vー辞書形+には]だけの意味で導入すること。

・「そうするためには、そうしたいと思うのなら」の意味として導入する。

・接続が変わると、他にもたくさんの意味があるので注意すること。

2.~にかかわらず/~にかかわりなく

【接続】

[N+にかかわらず]

[Vー辞書形・ナイ形ない+にかかわらず]

[イAい/ナA、イAい/ナA(対立する2語)+にかかわらず]

【意味】

・~どんな場合でも、~だ / どちらの場合も、~だ / ~に関係なく・・・

【注意】

・※天候・するしない・降るふらない・いい悪い・多い少ない・好き嫌い・上手下手などと一緒に使うことが多いです。

・「~にかかわになく」より「~にかかわらず」の方が硬い言い方です。

3.~次第 

【接続】

[Vーマス形+次第]

※[N+しだいだ] ※到着しだいだ

【意味】

・~どんな場合でも、~だ/どちらの場合も、~だ/ ~に関係なく・・・

【注意】

・「次第」の前は自然に起こること、後ろは話す人の意志がきます。過去形は来ないので注意してください。

・前半の文は自然の過程で起こることを表す場合が多いですが、後半の文は自然の過程で起こることは使えません。話し手の意志的な行為を表す文が続きます。

◇第4課④より

1.~途中(で)/~途中(に) 

【接続】

[Vー辞書形/Nの+途中(で)]

【意味】

・出発してから着くまでの間(で/に)/何かを始めてから終わるまでの間(で/に)

【注意】

・一般に出来事の起こる時点には「で」、存在の場所を表す場合は「に」が使われるが、省略される場合もあります。

・「~途中ずつと・・・ています」の場合は、途中の後に「で」「に」はつきません。

2.~を~として 

【意味】

・~を~だと考える/決める

【注意】

・特になし。

◇第4課⑤より  

1.~を背にして 

【接続】

[N+を背にして]

【意味】

・~を後ろにして/~に背中を向けて

【注意】

・特になし。

2.~に沿って/~に沿う/~に沿った

【接続】

[N+に沿って]

[N+に沿う/沿った+N]

【意味】

・~に合わせて

【注意】

・名詞を修飾する場合は[N+沿った+N]になります。

■図書コーナー

★日本語教員試験対策本 ※周りの人からの評価高いです!

●できる日本語 中級 本冊 【第2版】

●日本語文型辞典 改訂版

●「中級」「上級」の日本語を 日本語で学びぶ辞典

タイトルとURLをコピーしました